4月-2015
皆既月食を撮る!
2015年4月4日の夜は皆既月食ですね。この写真は半年前の2014年10月8日に撮影したものです。今回は皆既月食は約12分間と、継続時間が比較的短いですが、次回、日本にて皆既月食を観測できるのは2018年1月31日だそうで、少し先になってしまいます。
天気予報では曇り、ということで観測のコンディションが心配ではありますが、奇跡を信じて撮影テクニックをまとめたいと思います!記事後半は、前回(2014年10月8日)時に撮影した部分月食~皆既月食の写真を掲載しています。
皆既食は21時頃ですが、部分食からぜひチェックしてみてください。
部分食スタート 19:15 頃
皆既食スタート 20:54 頃
食の最大 21:00 頃
皆既食の終わり 21:06 頃
部分食の終わり 22:45 頃
レンズ
月を大きく写したいのであれば望遠レンズを用意しましょう。私は200mmのレンズに1.4倍のエクステンダーを付けて280mmで撮影しています。この焦点距離では月を撮るには全く短いのですが、撮影後、トリミングをするので問題ありません。トリミングをする前提で撮影するならば、カメラの設定で画像サイズは最大サイズにしておくと良いと思います。
三脚
食が始めると月の光が一気に弱くなるので三脚は必須です。
レリーズケーブル
夜景撮影と同じでカメラのシャッターボタンを直接押すとブレの原因となってしまいます。できればケーブルを利用しましょう。
コンパス
月の方位と確度を知るために必要です。月が見えていると良いのですが、セッティング時に月が雲に隠れている、というパターンが比較的よくあります。最近ですとスマホの天体観測アプリもよく出来ているのでおすすめです。
簡単に高画質で月食を撮る、という意味では一眼レフ+望遠レンズがあったほうが良いと思います。ただしコンデジでも撮影できない、という事ではありません。比較的ズームが効くコンデジですと意外と撮れます。是非チャレンジしてみてください。
スマホで撮影すると月はかなり小さく写ります。正直迫力が足りません。そこでもし、望遠鏡や双眼鏡を持っているならば、そのレンズ越しに撮影してみてください。これまた、意外と撮れます。
撮影モードはマニュアル、ピント合わせもマニュアルで調整しましょう。ISO感度・シャッタースピード・絞り値については、部分食時と皆既食時で大きく変わります。参考値として掲載しておきます。
撮影モード
ISO感度、シャッタースピード、絞り値をそれぞれ自由に入力できるマニュアルモードで撮影するとよいです。
ピント合わせ
食が始まると月が暗くなるのでオートフォーカスが使えなくなる可能性が高いです。そのため、事前にマニュアルフォーカスモードに設定して手動でピント合わせをするとよいです。
ISO感度
部分食時:ISO200~ISO400
皆既食時:ISO1000~ISO1250
※焦点距離280mmで撮影を前提
シャッタースピード
部分食時:1/100sec~1/30sec
皆既食時:0.5sec~1.5sec
※焦点距離280mmで撮影を前提
絞り値
部分食時:f16~f14
皆既食時:f9~f5.6
※焦点距離280mmで撮影を前提
2014年10月8日に撮影した部分食~皆既月までの様子です。
部分食、スタート。
EOS 5D mark3 + EF70-200 F4L IS USM + x1.4 / ISO200 / 1/100sec / f16
EOS 5D mark3 + EF70-200 F4L IS USM + x1.4 / ISO200 / 1/100sec / f14
EOS 5D mark3 + EF70-200 F4L IS USM + x1.4 / ISO400 / 1/100sec / f16
EOS 5D mark3 + EF70-200 F4L IS USM + x1.4 / ISO200 / 1/40sec / f16
EOS 5D mark3 + EF70-200 F4L IS USM + x1.4 / ISO400 / 1/30sec / f16
月が完全に地球の影に隠れ皆既食がスタートします。肉眼ではボーっと赤く光っている程度なのですが、カメラの設定を上記の高感度設定に切り替えることで赤く光る月、を撮ることができます。
EOS 5D mark3 + EF70-200 F4L IS USM + x1.4 / ISO1000 / 0.8sec / f9
EOS 5D mark3 + EF70-200 F4L IS USM + x1.4 / ISO1250 / 0.2sec / f7.1
EOS 5D mark3 + EF70-200 F4L IS USM + x1.4 / ISO1250 / 0.5sec / f5.6
EOS 5D mark3 + EF70-200 F4L IS USM + x1.4 / ISO1250 / 1/8sec / f5.6
月食による月の様子の変化は思ったよりもはやいです。事前に撮影時のシミュレーションをしておくと間違いないでしょう!